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人と自然を考える会
所在地
滋賀県東近江市八日市金屋2丁目6番25号
東近江市立八日市図書館内

TEL:0748-24-1515
FAX:0748-24-1323
 
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地域にある森林資源を生活に取り入れる

「森とつながる暮らし方を提案します」

(2007年3月11日(日) 東近江市永源寺図書館)
パネルディスカッション

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子どもが山や湖と親しむ取り組み

 あとこれは滋賀県にあるんですけれども、先ほど琵琶湖の話をしましたよね。水の学習で「海の子」学習船というのがあって、今年から「山の子」というのができるんです。5年生が海の子、4年生が山の子の学習が始まるので、「今から始まる4年生の森の学習に子どもたちをできるだけ連れて行くようにしたい」というふうに書いておられるんですけど、そうなんです。今度から利用されている3棟の建物も、きっとそれの一環かなあと思うんですけども。なので、4年生の子どもたちがどんどん山に行くようになると、子どもが帰ってきたら「こうだった、こうだった」って言うけど、それが今いちちゃんと受け止められない。自分も行ったはずなのに、プランクトン観察したかな? みたいな。

 なので、今度山の子の授業が始まって、「お父さんお母さんこんな授業やったわ」って、一泊二日とかの研修で行った時に、だんだんと保護者の方がついて来られなくなるっていうのがないように、大人もがんばってしまいますよね。山の子の授業は4月から、新年度から始まる授業で、とてもいい授業かなあと思うんですけど、そういう子どもに向けた学習って四国の方でもあったりするんですか?

山田:自分たちが取り組んでいるものとしては、先ほどの「かなば」を使った教室っていうのが一番多いは多いんですね。でも、ただ編んで終わりっていうのではおもしろくないですし、総合学習という授業の枠が今ありますから、二時間めいっぱい取ってもらってます。そのうちの30分は森の話をさせてくださいと。できれば参観日の形にして下さいと。父兄の方にもぜひ参加してくださいと。子どもだけに伝えるというのは言葉が、やっぱりどうしても専門用語が出てきたりして、小学校4年生、5年生でもはい、はいと言いつつも頭の中にクエスチョンマークがついたまま帰ってる。それを家に帰って話すというのはもってのほか無理だと思うんで、それで参観日にしてもらって、家に帰ってからまたお母さんやお父さんとまたそれについて話ができるようなそういう共通の情報を授業でできたらいいなというので、もう2年ほど前から高知市内で何件かやってますけれども、それをすごく先生方からも喜ばれて、何度か行ってる学校もありますね。

中野:街の方に出向いて、高知市内ですからね。今も大人の方、父兄参観、参観日の時にしてくださいってお願いをされてると言われましたけど、本当に海の子の学習船も先生だけでは子どもたちのサポートが足りないんですね。それで、海の子のボランティアもありまして、ある程度の環境学習を重ねた人がボランティアで乗るんですけども、私も海の子のボランティアをしてたことがあるんですけども、子どもたちに教えるのって私すごく不公平感があって、かわいそうだなと思うんですよね。だから、子どもたちは学習するより体験をしてもらって、大人に聞いてほしい。大人がこうしてしまった所だから、大人が変わったら子どもたちは勝手についてくると思うので、子どもへの総合学習で山の子授業とか海の子の授業とかあるんですけども、やっぱりこれは体験学習にしていて、大人が頭で学習して、山に入った時にがんばっているお父さんを見て、その汗を見て、汗をかいて楽しいというのはこういうことなんだというのを改めて知ることで、どんどんどんどん、わざわざ頭で覚えなくても体で、山に行ったりとかいうのを覚えられるからいいかなあと思うんですけども。

 まあすごい話がそれるんですけどね、ラジオやっててこんなメールが来るんです。「私今臨月です。もうすぐ生まれるんです。おなかが大きくてもうすぐ赤ちゃんが生まれるんですけど、どっこも行くとこないから、ここ何ヶ月夫婦でゲームセンター通いです」。今みんなしかめっ面しはりましたね。しかめっ面しはる会場はいいんですけど、「うん」と思わはる会場は、え?って私も思うんですけどね。

 だから、きっと生まれても、きっと「子どもがベビーカーから離れません。行く所がないので、夫婦でゲームセンター通いです」って。その子はベビーカー載った時からずっとゲームセンターを見てるので、ゲームセンターが楽しい所なんですよね。そうすると、希望ヶ丘に、たとえば森に、希望ヶ丘すみませんね。県内の人は分かりますよね。あんなだだっ広い芝生に連れて行かれても何もすることがない。親が今は行かないですから。山に行かないと同じように。そんなのが来る時代なんですよ。だから、これちょっと驚くんですけど、そういうことがないように、どうしていったらいいのかなと思うと、年配から変わっていかないとダメなのかなって。そういう空気感を楽しめるような、そういう時間を楽しいと思えるような提案がいるのかなって思います。

 アンケートにも、「朝起きてウグイスの声がするのでまねてみている。しばらくすると、応えて鳴いているような気がする」。素敵ですよねー。ねえ、どう思われますか、回渕さんとか川嶋さんとか。

 住んでおられる所にウグイスの声が。山にいるとあたりまえのように聞こえますよね。ちょっとしゃべってみたことありますか? 山のお仕事早いですもんね。朝早くて、夕方も日が暮れるまでには山を下りるという形だと思いますけど、こうやって気づけることっていうのがすごく大切な、本当に幸せなことだと思います。

 私20代の頃、信州にペンションに泊まりに行った時に、朝鳥のさえずりもしてたんです。日がさんさんと差してきて、朝ご飯を食べている時に、ペンションのオーナーの方と奥さんが、「朝鳥のさえずり聞こえたでしょう」って言われて、「あー、私とこ毎日聞こえてるし。そうか、都会の人が来るとこなんかなあ、ここ」とか思って。でも、一緒に行った友だちは、「そうや、鳥聞こえてたよね」って。えー、同じ滋賀県に住んでるのに、気が付くと気が付かないでは全然違うんだなあ、感じ方も違うなあって思いながら、でもそれが山に行くと、そのウグイスの声も、上手に鳴いている時とか、まだへたくそな時とか、この季節感っていうのを感じることができると思うんですけどね。

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