|
地域にある森林資源を生活に取り入れる 「森とつながる暮らし方を提案します」(2007年3月11日(日) 東近江市永源寺図書館)
「山が好きだもんで」川嶋:どうも、私、こんな前でみなさんに話すようなあれはないんですけれども、ともかく地元で生まれてよその飯は食ったことがない、この年まで。70歳になるんです。僕はもともと山男でございまして、山師が本業で、地上げから植林して、下刈りして、間伐、枝打ち、ずっとそんな山仕事をやってきたんです。 もう今の年になると、山のことも危険だし、家の近くのことをなにかしようじゃないかというようなことから、木工的なことをさしてもろうてますねんけども、まあある1つの宗教団体、解脱会というんですけども、各会員さんが供養されるお札さんがモミの木ですねんけども、それをずっと毎月一万枚ぐらいさしてもろうて送っております。それが1つの糧で今日まで山でなんとか生活をしておりますねんけども、もともとは山師で、山男で、伐出男でしたもんで、こんな背広姿は似つかないんです。法被姿の男ですもんで、難しいことは学校の先生方のようなことは言えませんけども、山に対する愛情を持って、山が好きだもんで今日まで来ました。 そんなことで、木にこだわって一時は桶の、木の桶の風呂まであてびでつくってやりましたわ。そんな時期もありましたけど、やはり時代の流れには勝てませんので、木の風呂はもう卒業しました。それで今はそんなお札さんの稼業をやっておるんですけれども。 流れとしては、去年の秋、10月でしたか、育林組合の森づくりコンクールで、大津で発表会がありまして、そこでかわしまとみおさんと二人で発表会に出させてもろうて賞をいただいたのがきっかけで、今日この場でみなさんにお話させてもらう機会を得ましたことを光栄に思っております。よそに出ても食うすべを知りませんので、この年で今度出る時はあの世行きだなというようなことを思っておりますが、まあそんな人生を送っております。(中野:はい(笑))身近なことですけれども、そんなことで、よろしくお願いします。 中野:はい、ありがとうございます。ご遠慮がちに賞をと言っておられましたけれども、知事賞を贈られまして、ご活躍をたたえられたわけなんですけれども、以前は木を植えるところから伐採をされるところまでされていて、それから木を使っていろんなものをつくるようになって、一時はお風呂もつくるようになって、もう卒業しましたがって言われましたけれど。馬路村の先ほどのばっと広げておられました絵を描いたあれを見たら、木のお風呂、ありましたよね。どうですか、川嶋さん。また今度、「え、もう一回今になってわしにつくれってか」と言わなあかんぐらい木のお風呂の発注が来るようになるかもしれませんが。 今日先ほどちょっとまな板の話を、「みなさんのお家のまな板何でできてますか?」って言いましたけれども、まな板も外にありまして。まな板もそうですし、その他にもある宗教の方のモミの木、一万枚ってかなりの数だなと思っていたんですけれども、そういうのもつくっておられましたが、今日もつくっておられるのを持ってきていただいているんですよ。木というと、ふつうに思ったら、神社に行ったら絵馬も木だし。 あ、これですね。すごい立派なまな板で。なかなか最近こんなに立派なまな板見なくないですか。どうです、みなさん。これは何の木でしたっけ? 朴(ほお)の木。朴の木って言われた時、へえ、あの朴葉焼きはーって。「食べる方かい」っていう(笑)。朴葉の葉はイメージあるけど、木はどんな木だろうとか思っていたんですけれども、包丁との相性がよくて、すごくいいらしいです。重いんですけどもね。こういったものもつくっておられたりとか。あと、木のハガキ、これも川嶋さん、つくっておられるんですけれども、3枚セットなんです。こうやって見たら、ちょっとずつ風合いが違うんですけれども、これも木が違うんですよね。三種類の木なんですよね。 川嶋:これはスギの木と、ヒノキとモミの木ということになってます。
|
||||||