トップ

講演記録このサイトについて

人と自然を考える会
所在地
滋賀県東近江市八日市金屋2丁目6番25号
東近江市立八日市図書館内

TEL:0748-24-1515
FAX:0748-24-1323
 
Home >> 講演記録 >> 中野栄美子 山田佳行 他


地域にある森林資源を生活に取り入れる

「森とつながる暮らし方を提案します」

(2007年3月11日(日) 東近江市永源寺図書館)
パネルディスカッション

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19 20 21 22

ほとんどの人が桶を持っている

 それから、みなさん意外とアンケートのね、「家で使っているものの中でどのような製品がありますか」っていうんで、「桶」に丸をしておられるんですよ。桶って最近使わなくなったのに、ほとんどの方が。

川嶋:われわれの小さい時分には、樽丸言うて樽の桶ですね、樽っちゅうことは醤油樽やとか酒樽やとか味噌樽やとかそういう樽ですねんやけども、それを戦時中ね、山で大きな木が伐りっぱなされて、放置されとったんですわ。それが戦中若い方々が兵隊に出られたもんで、山で伐りっぱなしで腐ってた、半腐りになる状態まで放っておかれた、それを今みたいな集材機はないし、重機はないもんやで、大きさ10?か15?ぐらいの束に割ってね、それで乾燥して、背負って山から出てきて桶に、桶のクレて言いますわね。桶グレをつくられたんですわ。そういうことは、僕らの子どもの時分ですやもんでね。

中野:その桶を今でもこんなに実際何に使うかなあって。

川嶋:すし、フナ寿司桶やとか、

中野:そう。「フナ寿司の桶」って書いてありますね。この方も。フナ寿司召し上がられたことあります?

山田:ないです。

中野:じゃあ、ぜひ今日おつかいものにでも。

川嶋:かなり高いもんですわ。

中野:そうですねー。今は琵琶湖のフナがあまり捕れなくなって、フナ寿司自体も高くなってきた。昔は自分で釣ってきたフナで、自分の家の田んぼのお米でフナ寿司を、みなさん自分ちの自分の味で漬けておられたんですけど、最近は漬けるお家も少なくなったので、余計に高くなってきた。まあ一万円とか。

会場から:桶と樽の違いがありますね。

中野:桶と樽? これは私だけですかね、きっと知らないの。ここにお集まりのみなさん、桶と樽の違いをを言える? 桶と樽は。木が違うってことですか?

川嶋:木は一緒やけどね。桶というのは、なんと言いますかねえ、かし桶とか米なんかの、かし桶って言ってね、小さな、一升とか二升とかかす桶やとか、水を運ぶ時のためにつくった桶やとか、それを桶と言いますので、醤油樽とか、

中野:樽の方が大きい感じが。

川嶋:板目と柾目というのは使いようで。フナ寿司なんかでも漬けると、柾目のやつは水が浸みて、外へ出るおそれがある。板目のやつは空気や水が出にくいですね。こういうことですよね。

中野:ようやく納得、みたいな。昔の人はそうやって蒸発させたくないものとうまく湿度調節をするので選んだということですよね。生活の知恵ですね。はあ、もうすっかり買う時代ですからね。そうやって家でつくるのが。

 あ、これが川嶋さんがつくられた板目、これが柾目。年輪がこうなっているのかこうなっているのかっていう。ぜひまた後ほどゆっくり見てくださいね。柾目と板目。はい、ありがとうございます。また1つ賢くなって、みんなも一緒に納得で、よかったです。ありがとうございます。その他にもいっぱいいろんなこと書いていただいているんですよ。

自分だけのもの、自然のもの

 実際薪ストーブを使っているという方もいらっしゃって、「日曜大工で自分だけのものをつくる」。これも、自分だけのものっていうのも、自分の手でつくるのも自分だけのものですし、たとえばエコアスさんのように、商品として販売されているけど買ったら、わざわざつけた木目ではないけれども、自分だけのものですよね。

山田:そうですね。特にバッグに関しては、外に見せるものなのでデザイナーがいますけれども、一番のデザイナーは自然ですので、買った時もオリジナル、それと木によってお盆とかが少しずつ色が変わってくるのと同じように、僕のバッグも少しあでやかになってますけど、その変化もそれぞれなので、それは本当に一個しかないというものです。はい。

中野:なので、またオリジナルとかそれこそ世界の1つのという言葉が流行ったように、本当に自分だけのっていうのは、なんにも代えられない愛着が湧いてくると思うので、こうやってご自分でつくっておられる方とか草木染めをされてる方とかもいらっしゃいますし、木酢酢とかをつくっているとか。こういったのも今ね、環境とか体のこととか考えたりとか、むしろ科学的なもので庭の植木とか世話するんだったらそういう天然のもので自分たちのまわりのものは環境を整えていこうというふうに考えておられる方のアイディアがあったりとか。もういろんなご意見をいただきまして、ありがとうございました。「木のものを身につけてまわりに自然を感じてもらえたらいいなと思って、今そういった小物をつくり始めています」ということで木工細工の方のご意見とかも書いてあったんですけれども、全部時間中に回収できなかった分もありましたけれど、またみんなで見せていただきたいと思いますので、ご協力ありがとうございました。

 話があれやこれやで、もっともっとこのパンフレットの中からこんな意見があってこんなふうにまとめられたというのをご紹介していきたかったんですけれども、またお帰りになってみなさんが、他のみなさんがどんなふうに思っておられるか、このまとめた冊子をご覧いただきたいと思います。そしてまたみなさんのまわりにアイディアとして取り込んでいただきたいと思います。

 さあ、そろそろ時間も終わりに近づいてきたんですけれども、はい。

中野:そうですね。川嶋さん、これ難しいですね。神社の木ということになると、なんかね。神社の木の使い方ですから。

川嶋:そらもったいないといいますか、我々の所でもそういうようなもんが伐りっぱなしで山で放ってあるんですわ。出してきて手間かけても、手間賃が出ないような今の状態でね。本当にもったいない思うんですわ。けど、今薪にするぐらいのことしかしょうがないん違いますかなあ。金になりませんで、今はなあ。今は市場へ出しても運賃が出ないような状態で、本当にもったいないもんですわ。うちの方の山にでもそういうのは伐りっぱなしで、たくさん伐って穴に放ってあるんです。なんとかいい方法がないかなあと僕らも考えておるようなことで。回答にはならんようですけど。そら薪やったら誰かまた出してくれる思いますので、それもこっちがなんか紹介しようかという薪屋さんもないので、その近くで処分された方がええのとちゃいますか。遠い所運ぶだけの運賃ちゅうか手間賃が出てきませんのでね。

中野:滋賀県の全部の小学校ではないんですけど、ヨシ漉きで卒業証書をつくったりとかされている所があるので。最近神社とかお寺とかって各字、在所に神社とお寺って対になってあるのに、公民館とかそういう所にみんなで入って行こうとか、すこやかセンターとか最近そういう施設がありますよね、何ヶ月検診とかで。そういう所に保護者のみなさん行かれるんですけど、今神社とかお寺とかっていうのに全然行かなくなってきていて、そういう所って昔は遊んだ所ですよね。一番安全な境内?

 大人だけで伐ってしまうのではなくて、小学校の総合学習の時間をあててもらったりとかして、来てもらって、それで卒業証書をつくるとなるとなかなか難しい作業、こんな薄いものをつくるとなると難しいかもしれないですけど、卒業証書を入れる枠をつくろうとか、なんかそういう。神社の木っていうのはすばらしいもんなんだよというのを教える機会にもなると思うので、そういった自分たちの思い出の品ができるような利用方法、ちょっと工作としては高度かもしれないんですけど、そういうので使うというのも。じゃないともったいないですよね。焚き火にもならない。

中野:またよいアイディアがあったら、おいその森のみなさんにお伝えできるように考えていただきたいと思います。ああ、そうですね、炭焼き教室で。

 今、学校林の方も見直されてきているみたいで、昔は学校の隣にあったが森や林、里山に子どもたちが行って、というのも見直されてきて、都会の方ではこれが学校林やったんやという所を新しく整備して、公園に入るようにしてたりとか、そういう動きもあるみたいなんでね、滋賀県にも各学校にも学校林ってあるのかなあと思って一回教育委員会に聞いてみたら、今でもまだまだある所もあるということなので、それも見直してもらえるように働きかけていけたらいいなと思っているんですけどもね。

←前のページへ 次のページへ→

▲ページトップ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19 20 21 22