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人と自然を考える会
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地元学を知る

「地産地消で地域の再生を」

 地元学であるものさがし

(2006年10月9日(月・祝) 愛東福祉センターじゅぴあ)
講師:結城登美雄

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半農半漁は豊かな暮らし

 これは別にばあさんがロッククライミングしてるんじゃなくて、ウニを採りに行ったんです。そして「ここは私の畑」と言うんです。さっきロッククライミングしてきたのは、僕もストーカーのように追っかけるもので、ここで採っていたんです。ここでこう降りて、こう来て、こう降りて、こう降りて、今帰ろうとしてるところなの。そしてこれが私の畑、「ここはよい所だ」って。「若い時騙されて嫁に来た」って。おなごは大抵騙されて嫁に来ます。何度も帰ろうと思うのですが、帰れない。子どもが生まれる。あてにならないのは亭主であります。「いつか銭儲けるから、いつかボーナス出るから」、ずうっと裏切っています。「そんなの1年経ったらすぐ分かった」ってこのばあちゃんは言ってましたよ。「でも、ここは1月になると、年が明ければフノリ、マツモ、ヒジキ、ワカメ、コンブ、お魚、ごっそうが次々にやって来るよ」って、「ここはお金がなくても安心して子育てが出来るとこだ」。

 金がなくても安心して子育てが出来るとこ、どこにあるんですか? ここにあるんですな。これに畑、小さな畑、アタイを持てばごちそうはここにくればやってくるし、畑に野菜を植えればお金がなくても子どもを飢えさせることはない。空腹ぐらい、ひもじい思いをさせることぐらい親はつらいものはない。ここは金がなくても安心して。で、「海の仕事に飽きたら陸の仕事をするよ」って言うんです。「陸の仕事が飽きたら海の仕事をするよ、だから心が疲れない」って言うんです。ところが、文部省は教科書で「半農半漁は貧しい暮らし」と教えたんです。で、ずうっと僕、東北を歩くまでそう思っていたんですが、行ってみたら豊かな暮らしなんです。あれは文部省、ちょっと直してもらわなきゃ困るんです。そして「ここは私のデパート」と言っていました。すごいもんですね。

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