地域資源を生かした「まちづくり」事例学習(その3)
「東近江を循環・共生の大地に」
地域が自立して生きる仕組みづくり
(2006年12月23日(土) 愛東福祉センターじゅぴあ)
第1部 基調講演
「循環・共生の大地にむけて」講師 宮本憲一氏(前滋賀大学長)
みなさん、こんにちは。
私は、ご紹介いただきましたように、2年前まで滋賀大学の学長をしておりました。滋賀県とはあまり関係がなかったんでございますが、滋賀大学の方々の推薦で学長になりましたが、その時私は滋賀県の琵琶湖の環境保全の非常に大きな歴史の流れの中で学びたいことがたくさんありまして、私は経済学が専門ですから環境保全だけではなくて、琵琶湖の周辺の開発というのがどういう形で行なわれたのか、開発と環境という問題を考えるのには非常にいいテーマなので、そういうことができるだろうと。推薦する人たちは相当いい加減なものですから、「研究は充分していただきます」なんて言うんで、じゃあ研究する学長になるかっていうんで引き受けた途端に、政府の方が滋賀大学を含む国立大学を法人化するっていうことになりました。これは国立大学の歴史始まって以来の大変動でございまして、おまけに同時に効率を高めようというので、京都の大学と合併しろと言われまして、研究する学長どころか、滋賀県の中をまわりたいと思っていたのにまわる暇もなく終わってしまいました。
学長を辞めてから少し滋賀県の中を歩いてみるかと思っておりまして、今日はみなさん方のお話を聞ける、あるいはかねてから尊敬している嘉田さんのお話を聞けるというのを楽しみにしてまいりました。
特徴のある滋賀県
実は30分ぐらいでここに書きましたようなレジュメをやるというのはほとんど不可能なことで、したがって少し省略をして中心的なことだけ申し上げさせていただくということでお許しをいただきたいと思いますが。まず私、滋賀県の市町村を丁寧に調べておりませんので、外側から見るということでお許しいただきたいんですが、滋賀県は非常に特徴がある県だというふうに思っております。それはいろいろな指標がありまして、滋賀県というものの経済的なあるいは社会生活上の価値を評価しているのでありますが、大変評価は高いわけであります。
人口の伸び率や、あるいは最近はちょっと落ちてまいりましたが製造工業の伸び率、こういうのは全国でも有数の高い地位にあるわけであります。それからまた、いろいろな新聞や雑誌がアンケート調査をいたしますと、滋賀県は住みやすいと。いろんな意味で全国的にみると評価も非常に高い。所得の水準も全国では上位にあるわけであります。
|