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人と自然を考える会
所在地
滋賀県東近江市八日市金屋2丁目6番25号
東近江市立八日市図書館内

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FAX:0748-24-1323
 
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地域資源を生かした「まちづくり」事例学習(その3)

「東近江を循環・共生の大地に」

 地域が自立して生きる仕組みづくり

(2006年12月23日(土) 愛東福祉センターじゅぴあ)
講師:
宮本憲一 嘉田由紀子 藤井絢子

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木を伐ってエネルギーに使うと6つはいいことがある

 こういうふうに、里山の問題というのは、大変多岐に渡ります。私は木を伐ってエネルギーにするというのが今は一番いいと思っているんです。「今の日本で」という限定付きではありますけれども、一番いいと思っています。ところが、エネルギーとしてだけ較べると、ペレットストーブ、そこの菜の花館にもありますけれど、ペレットストーブの木質ペレットは、今灯油と燃料としてだけ較べると5割かあるいは2倍ぐらい高くついてしまいます。

 しかし、一つ木を伐って使ったら、私は少なくともここに挙げたように6つはいいことがあると思っているんですが、やはり燃料としてだけ較べてはいけないことだと思うんですね。今見ていただいたように、獣害にも役立つ、間伐不足も解消する、それからこの後写真を見ていただきますが、景観もよくなるし、里山が茂ることで減っている生物もいます。私はもともとそちらの方の研究が本業なんですけれども、それにもよくなるというようないろんないいことがあって、2倍の価格なんだというふうに考えるべきだと思うんですね。これらを見こんだ合わせ技で里山利用をしたらどうかと考えています。島町の協力していただいた地権者の方々には薪は置いといてくれと言われてまして、自分で運んでお風呂に使われている方もいらっしゃいます。外国では、大規模にチップでエネルギー利用もされていますし、ペレットに加工したら、菜の花館にあるように便利に自動で使えます。

 そういうふうに、地球温暖化の時代に自然エネルギーを増やすということからも求められている、なかなかいいと分かっていても進まないことなんですが、エネルギーとしてだけ、あるいは温暖化対策としてだけ考えるからいけないのであって、いろんないいことがあるのを一緒に進めるということしかないんではないかなと思っています。あるいはこれは学生たちと炭に焼いたりもしているんですが、農村下水道の、あるいは普通の下水道でもそうなんですけれども、滋賀県の基準は全国トップレベルに厳しいんですが、実はチッソは少し残ってしまうんですね。今のやり方だと。そうすると、これは分かりにくいですが、藻が生えています。それを炭を使って抜気しながら微生物に食べさせてしまう。そうすると比較的コストが低く、水道の基準も満たすほどの水にできるという方法もあります。これも検討に値するのではないかなと思っています。それから、近江八幡の水郷が重要文化的景観の第一号に指定されましたが、白王町、島町の試験地はこれのすぐ隣にあります。文化庁の審議会でもそういうことを里山の林でやるというのは景観の面からも大変いいことだというふうに言っていただきました。

 最後に、学生たちの活動なんですが、イノシシ対策の成果を知ってもらう、それから町の方に来ていただいて楽しんでもらおうというような会もやっています。イノシシ料理の研究なんかもしました。それから、これはまた別のグループの授業なんですけれども、彦根で離村されてしまった山村に、男鬼(おおり)という所なんですが、茅葺き屋根の家が残っています。この左下のお宅なんですが、この8軒のお家を利用しながら保存できないかということを考えています。今、茅替えもして、修理のための茅を集めたりしているんですが、いろんなことをしながら里山を使って守って対策をしていこうということを考えています。少し長くなってしまいました。以上です。

司会:ありがとうございました。里山の多様性の問題からエネルギーに入りまして、そこへ獣害が入りまして、景観まで入ってきましたと。大変貴重な話を聞かせていただきまして、ありがとうございました。質問等もあるかと思いますが、また時間の都合がありますので、休憩時間などが終わりましてから直接聞いていただくなどしていただきたいと思います。野間先生につきましては、ここまできましたらその次に何が結びつくかというのを楽しみに待っていたいと思っております。

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