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人と自然を考える会
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地域資源を生かした「まちづくり」事例学習(その3)

「東近江を循環・共生の大地に」

 地域が自立して生きる仕組みづくり

(2006年12月23日(土) 愛東福祉センターじゅぴあ)
講師:
宮本憲一 嘉田由紀子 藤井絢子

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司会:環境生態学科の講師の野間直彦様でございます。野間先生につきましては、生態学がご専門でございまして、動物による植物の種子散布の生態というのを研究されておりまして、同時に自然環境実習等の担当もされております関係から、身近な里山における動植物の生態に精通されておりまして、私も何度も講演を聴かせていただいております。最近は山の関係から木のエネルギーの見直しという形で木質バイオマスエネルギーの研究や牛を利用した鳥獣対策についても研究を広げられておりまして、今回はそのようなものをまとめられまして、ちょっと長いテーマでございますが、「獣害をふせぎエネルギーをうみ、牛が育ち景観がよくなる新しい里山の利用」というテーマで事例報告をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

第2部 事例報告
「獣害をふせぎエネルギーをうみ、牛が育ち景観がよくなる新しい里山の利用」 滋賀県立大学環境科学部講師 野間直彦氏
・獣害対策の3つの視点

 みなさん、こんにちは。今紹介していただきました野間と申します。私は学生たちと一緒に愛東地区を始め、東近江市内にも実習調査その他でよく寄せていただいております。今日は、里山の利用の話をいろんなことをしながら知恵を絞ってやっていけないだろうかというお話をしようと思います。

 それを考える時にですね、今一番大きな問題と少なくとも農家のみなさんの側から言えることは、イノシシあるいはシカ、それからサルが田畑に出てきて食い荒らしてしまうという問題です。里山の問題がたくさんある中で、これは一番緊急の課題と言っていいと思います。それを考える時に大事なのは、獣害が出る田畑というのはほとんど間違いなく林に接しているんですね。あたりまえなんですけれども、そこにけものは住んでいるからです。その林はほぼ100%使われていません。左の写真、樹木の壁と言っているんですが、こういうふうに管理されないで壁をつくっている時がもっとも獣害を増やします。と言いますのは、姿を見られずに田んぼの際まで近寄れるわけですね。さっと荒らしまわって、万一人に追われたとしても、逃げ込んだらもう安全です。この右の写真にあるように、収穫ができないぐらいひどい被害を受けることもあります。

 これは簡単に言いますと、里山の環境が昔と大きく変わったために、まずシカやイノシシの数が大変増えたんですね。これはもう獲り続けながらいろんな対策をしなければいけません。シカとイノシシの場合は数を減らすことが必要というのが大前提になりますので、その対策。それから、田畑の作物は、水際作戦と言いますか、その場で守る柵その他いろいろあるわけですけれど、それが同時に大事です。もう一つ、今問題にしています里山側の環境を、林の方を変えていかないといけません。獣害対策は、少なくともこの3つの視点が不可欠なんですね。これを同時に進める必要があります。

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