トップ

講演記録このサイトについて

人と自然を考える会
所在地
滋賀県東近江市八日市金屋2丁目6番25号
東近江市立八日市図書館内

TEL:0748-24-1515
FAX:0748-24-1323
 
Home >> 講演記録 >> 宮本憲一 嘉田由紀子 藤井絢子


地域資源を生かした「まちづくり」事例学習(その3)

「東近江を循環・共生の大地に」

 地域が自立して生きる仕組みづくり

(2006年12月23日(土) 愛東福祉センターじゅぴあ)
講師:
宮本憲一 嘉田由紀子 藤井絢子

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28 29 30

草刈りとイノシシ対策は放牧で

 ところが、このように植物の回復力は大変早いですので、竹藪の場合は特に早いですが、放っておくとあっという間に藪が戻ります。ですので、ここを使い続けるということが大事だということが言えます。しかし、いつも草刈りができればいいですが、なかなか大変ですね。そこで、ここで放牧をする、それから木の下では山菜をつくり、使い続けるという利用もするということを考えてみました。

 山菜の場合はあらかじめイノシシが食べないことが分かっているものなんですが、不思議なくらい約二年間まったく入りませんでした。今は来るようになっているんですけれど、ひどい荒らし方はしていません。やはり人が世話に来るというのが圧力になるようなんですね。それから、羊の場合、こうやって放したすぐ後に親子連れで見物の人が来てくれます。こういう見物の人もイノシシへの圧力になると考えられます。こんなちゃちな柵なんですが、今でも、今年の冬は羊は帰っているんですが、それでもここには一歩も入っていません。ちょっと過放牧になるまでおいてみたんですが、羊が大変よく食べてくれて大活躍です。

地域での実践が広がって

 これは島町という集落でさせてもらったんですけれども、それを見た隣の白王町のみなさんが、うちでもやりたいと言われるようになりまして、今度はまた別の形で始まりました。これは湖岸道路のすぐそばにあるので、近くを通った時は是非ご覧になってください。

 これは大変いろんな人が関係しておりまして、白王町の自治会のみなさんとそれからNPO法人の近江木質バイオマス利用研究会(資料の33ページに載せていただいていますけれど)が中心になっています。実はこれ滋賀県のお金を一銭も使っていませんで、国土緑化推進機構から助成をいただいているんですが、行政はお金ではなくて、職員が支援に出向くと。それから私たち大学、研究機関は調査をするという形で関わっています。使用前使用後ですけれど、この山裾はひどい笹藪ですね、それから密生した林があった所は研究会の木を伐るのが得意なみなさんが次々伐りたおしまして、みるみる開けていきます。看板もつくってもらいまして、こんなふうに木を積んであります。

 今日もこの活動日なんですが、先週はこの伐った木を薪にする作業をしていました。白王町のこの斜面は大中の干拓地に面しています。近江牛の最大の生産地にこの伐採地はあるんですね。そこで、これは近江牛の放牧に使おうということになりました。滋賀県のいろんな所で県の牛、畜技センターの牛は放牧の実績があるんですけれど、畜産農家の牛を獣害対策の目的でお借りして放牧したというのは初めてです。こんなふうに元気に過ごしてくれまして、伐っても次々復活してくる笹や草をきれいに食べてくれまして、元気に宿舎に帰りました。

 イノシシ対策を中心にして、そこに放牧をする。山を伐って、草が生えてくるんですけれども、そこに羊や牛にいてもらったらイノシシもこわがって近づかないし、近づきたくないくらい草丈を低くしてくれる。そういうメリットがあります。今のところは妊娠した母牛を連れて来ているんですが、放牧していると大変元気に赤ちゃんが生まれるということが分かってきました。

 この近くでも行なわれていまして、これは永源寺地区の相谷町のこの前の様子ですけれども、もう一頭、三頭いるんです。後ろに分かりづらいですが写っていますね。これは休耕田と後ろの山との境い目両方に放牧しています。これはやはり永源寺の杠葉尾町(ゆずりおちょう)の様子ですが、これも休耕田ですね。夕方の写真で分かりづらいですが、大変よく食べてくれていました。

←前のページへ 次のページへ→

▲ページトップ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28 29 30