|
地域資源を生かした「まちづくり」事例学習(その3) 「東近江を循環・共生の大地に」地域が自立して生きる仕組みづくり (2006年12月23日(土) 愛東福祉センターじゅぴあ)
湯布院は自治体でなく住民が主体たとえば、夕張が非常にまねしたような湯布院をとらえてみますと、湯布院は全く方式が違うんですね。主体が地元の観光組合、地元にあるわけですね。自治体じゃないわけです。あそこの自治体というのは大変問題のある自治体でありまして、必ずしも湯布院町というのは地域開発の先導をしたわけじゃないんですね。これはあくまでまず旅館主だった中谷 健太郎とかあるいは玉ノ湯のおやじさんたちが考えたものなんですが。どういうやり方をとったかといいますと、湯布院というのは農村でありましたから、農村の資源を元にするというのを基本にしまして、決して観光といっても外国の産物を入れたりというものではなくて、美しい田園風景を残して、地元でできる農産物を観光に使うと。鶏は放し飼いにした地鶏を使うと。決してブロイラーは使わないと。その地鶏を養育するということになると農家がそれで潤うわけでありますし、健太郎さんの所の玉ノ湯に行きますと、みやげものというのは全部農産物なんですね。農民がつくったジャムやバターであり、農民がつくった竹の製品や木製品なんですね。決して湯布院せんべいとか湯布院まんじゅうとか、全部こういうのは名古屋の駄菓子屋がつくるんですよね、名古屋でつくって名前だけが名古屋じゃなくて湯布院とか山中とかそういうふうになっちゃうんですよね。そういうものは絶対みやげものに出さない。つまり、地域の資源を活かすと。基本的な考え方はそういう考え方なんですね。 それから、日本映画祭というのもやりましたけれども、非常に全国に名をはせてあちこちがまねをするようになった。そういう都市の力をうまく借りるという場合も、決してお祭りの内容を都市にまかせるんではなくて、地元の人たち、若者が集まって委員会をつくって、それで映画を選定し、どういう俳優さんを呼べばいいかということを考えてきたんですね。そういう意味では、確かに夕張は湯布院のまねをしたんでしょうけれども、主体が違っていたと僕は思うんですね。主体があくまで住民の方にあって、住民が自治体を利用する。 ところが、夕張の場合は、おかみ主導型なんですね。第三セクターをつくって、公社が宣伝すると。それだとやっぱり先ほど言ったように金融機関も金を貸すかもしれないけれど住民がやるとなったらそう簡単に金融機関は金を貸してくれませんよね。だから、実際に本当にやれるかどうかって、経営っていうものを考えていないと、どこからもお金を借りられるわけじゃありませんから、そういう意味では主体が住民であって自治体を利用するっていうタイプと違っていたと思うんですね。
|
||||||