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人と自然を考える会
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地域資源を生かした「まちづくり」事例学習(その3)

「東近江を循環・共生の大地に」

 地域が自立して生きる仕組みづくり

(2006年12月23日(土) 愛東福祉センターじゅぴあ)
講師:
宮本憲一 嘉田由紀子 藤井絢子

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税の再配分に向けて

藤井:そう。その何千万のオーダーで21世紀の未来世代に約束できるかっていうそこの税金のことが動かないとなにも動かないとなると議論がまったくできなくなってしまうので、もう一度足元に戻るということを考えてみたいんですが、じゃあ知事の方から先ほど少し宿題になっている循環の、そこのところをもう少し細部についてお話があったらどうぞ。

嘉田:その前に税金の話ですけれど、私は方向があると思っています。なんで新幹線をこんなに問題にしているのかというとですね、やはり政府というのは財の再配分の仕組みなんですよね。まさに宮本先生のご専門ですけれど、その財の再配分の仕組みであって、税金をいただいて、そしてそれを配分する、それが予算配分になります。政府で大事なのはその予算配分に合わせて法律や条令をつくって、制度によってバックアップしたり、あるいは場合によっては規制をしたりということがあります。それから3つ目が人です。滋賀県でも4000人がいるんです。もう借金だらけだけどこの「人」だけはきちんと、今日も元気な県職員の方が何人かいてくれますが、人こそが滋賀県の最大の財産だと思っております。

 このお金と制度をつくる力、それから人。これを再配分をすると先ほどのような内湖の再生なり環境の再生というのも充分に行政としてやれることだろうと思っております。ですから、新幹線に240億、県は117億ですけど、それを入れる代わりにみなさんがもっと大事だと思うものがあるなら、そういうことに声をあげてほしいということですね。もちろん新幹線が大事だという人もいます。そこが今大いに議論しているところですけれども、大事なのは社会的に議論していただくことだろうということで、再配分の仕組みをきちんと情報をお出ししながら議論することです。先ほどの湖北の長浜の早崎内湖は10億円くらいあったらどうにか80haが内湖に戻ります。今予算的にはそれくらいの金額です。

藤井:要するに、税の再配分といえば、知事は最高権力者であるわけで、嘉田知事になったということで、7月2日以降とあまりこだわってもいけないかもしれませんが、税の再配分で次の予算案の中で、あ、これが嘉田知事がやりたかった未来可能社会だという、その秘策を。今日は議会ではありませんから、12月議会で185回答弁したというのを聞きました。今日は様々な立場の方がいらっしゃると思いますが、まさにその中でどういう滋賀にしたいかというそこのベースのところをちょっと触れていただけると、この東近江との関連性もしゃべりやすいと。

嘉田:はい。それで、再配分の仕組みのところで、かつては確かにハードものが、もちろん今も大事ですけれども相対的に大事だった。それから水道がなかった時代、水道をつくることも大事だった。道路がなかった時代、道路をつくることも大事だった。でも、相対的に今不足に思っていることが、まさに森をちゃんと守ってください、美しい水を。地下水位が下がっています、その水をきちんと維持して下さい。そして、子どもたちが次に夢を持てる形で自然を守ること、そして人を育てることに比重が変わってきている。そういう意味では、みなさんの思いを予算の中に入れることは方向としては可能です。

 ただし、すごい借金なんです。1兆円を超える借金が県の中にありまして、そして1千億円は山の借金です。今、里山奥山の話が出ていますけれど、過去40年、50年滋賀県は造林公社で山に木を植えるだけ植えて、ほとんど一円もリターンなしに今まできています。それが1千億円あります。このこともあまり知らされていない。

 ですから、今ともかく棚卸しをしようと。財政の棚卸しをしてなぜここまで借金が増えてしまったのか、これを次の世代にまわさないで、それで節約しながら大事な投資、環境保全もそうですけれども、人育てもそうです。子育てもそうです。そこのところを今年、来年、みなさんと情報を共有したいと思っております。それで、すぐに1年でこの予算ですというほど、今はまだ確保できておりません。

藤井:そうでしょうか? ごめんなさい。保全ということから先ほどの宮本先生のおっしゃる地域に社会的な経済的なプラス効果が出てこない。先ほどの造林公社の話でも、森の保全ではなくて森がお金を生む仕組みだというふうには今までまったく議論されていないんです。そこの中で私たちは知らない、知らない間にと言ってはいけないけど、これは県会議員が議論しているんですが、森林税が年間6億。これについても6億の中に山が資産としてお金を生む構造のそういうエネルギー源だという話はまったく出てこない。そういうことから言えば、税の再配分と新たに税金を組むのであれば、やっぱり嘉田知事カラーを出して、金がないからと何もできないのではなく、そこで嘉田知事になるとこういうふうになるんだということを是非。

 なんか迫ってるみたいですが、そこが変わらないとこの循環共生、そして琵琶湖が大事と言っても、頭だけでは動けないというのがずっとストレスにたまってるんですよね、多分。みんなの中に。動いているんですが、その一歩先が行けない。

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