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人と自然を考える会
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地域資源を生かした「まちづくり」事例学習(その3)

「東近江を循環・共生の大地に」

 地域が自立して生きる仕組みづくり

(2006年12月23日(土) 愛東福祉センターじゅぴあ)
講師:
宮本憲一 嘉田由紀子 藤井絢子

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菜の花プロジェクトとは?

 それでは、三人目の事例報告にさせていただきたいと思います。最後はですね、地元の愛東の菜の花館の館長、野村正次様でございます。野村館長は菜の花プロジェクト発祥の地、資源回収の町愛東の場所に地域循環と資源エネルギーのシンボル的な施設の必要性を訴えられまして、菜の花館の建設に奔走されまして、建設後は館長として活躍されております。また、運営をNPO法人、市民に委ねるということから、NPO法人の設立に奔走されまして、「愛のまちエコ倶楽部」の立ち上げにがんばられまして、今はその事務局長としても活躍されております。今回のテーマですが、近く愛東の方ではヤンマーディーゼル様が木のエネルギー化ということで、木質のガス化発電プラントをやっておられます。その中に、今後の生きる方向、エネルギーの行く方としまして、木質のガス化と今こちらでやってるBDFを一体化してより有効なエネルギーの使い方ができるんではないかということがうたわれておりますので、この件につきまして今日野村館長の方から事例報告をしていただきたいと思います。以上です。

第2部 事例報告
「菜の花プロジェクトと木質ガス化発電」
 あいとうエコプラザ菜の花館 野村正次氏

 どうもみなさん、こんにちは。菜の花館の野村です。私の方からは今ご紹介がありましたように、資源循環の地域モデルとしての菜の花プロジェクトの取り組みをずっと進めてきたわけですけれども、その取り組みを通しての様々な広がりについてご紹介をしたいなというふうに思っております。

 菜の花プロジェクト自体は平成10年に30aの田んぼでナタネを植えたことから始まったわけです。もう丸8年が経ったわけですけども、当時ナタネを植えることで菜の花プロジェクトがすべてできたというわけではございません。ご承知をいただいているかも分かりませんけども、その出発点には琵琶湖を守る石けん運動がありました。その時に、この旧の愛東町で住民と自治会、そして行政が共同して資源が循環するという愛東のリサイクルシステムができ、そこから廃食油をバイオディーゼル燃料に生成するプラントの導入であるとか、あるいはそれを行政の雇用者に利活用するという経過があって、菜の花プロジェクトが生まれてきたということでございます。まあ石けん運動からすれば30年の積み重ねがあって、その間にこれまで関わってこられた方の努力があって、今そのプロジェクトが農業農村の再生であるとか、あるいは暮らしの再生につながる運動に高めようという大きな流れがあるということでございます。

 これが菜の花プロジェクトの循環ですけども、ナタネの栽培から収穫、それから搾油をして、搾った油を食用に使って、出てきた廃食油を回収してバイオディーゼル燃料なり石けんをつくってそれをずっと使っていくという、地域の中で目に見える形での循環の絵でございます。その循環の過程でいろいろな波及効果があります。農地では転作田にナタネを植えておりますけども、全国的にはその耕作放棄田にナタネを植えるということがありますし、あるいは開花期には観光資源であったりとかですね、搾った油かすは肥料になったり、ナタネ油は食用として安心安全な油として使っていただく。廃食油を回収すれば可燃ゴミの削減、地球温暖化の防止、まあいろんな効果があるわけですが、そういった波及効果を地域の創意工夫で広めて、高めていくというおもしろさがあるなあと思いますし、それが全国に広がっている大きな要因だろうというふうに思います。

 具体的には農地の新たな活用ということです。基本的には、農地は食糧を生産するというのが一つの基本なわけですけれども、そこに新たにナタネを植えることによってエネルギーを生み出すと。農地からエネルギーを生み出すということがあります。そうすることで新たな農業の活路が見いだせるのかなというふうに思っております。これまでのエネルギーを消費する農業からエネルギーを供給するという農業の新たな展開といいますか、そういう道も広げていくのかなというふうに思っております。

 特に、今バイオ燃料が非常に叫ばれております。阿部首相の方からガソリンの一割の600万k�Pをバイオ燃料でつくるという話も出ております。そうなると、こういった農村地域、山もある田んぼもある所がバイオ燃料の供給地として新たな道が開けていくのかなというふうに思います。

 これはナタネの栽培面積です。今年の18年秋は15haをこの地域で栽培しております。この循環の過程の中でナタネの刈り取りとかあるいはそれを乾燥して選別して種をつくるわけですけれども、それはNPO法人が農家から請け負ってやっておりますし、できた種をNPO法人が農家から一部買い取って油を搾って販売するという、地域の資源を活かしたコミュニティビジネスというのが生まれてきております。

 これはマーガレットステーション、道の駅ですけども、ここでもナタネを栽培しています。開花期になると非常にたくさんの方が訪れてそこでお金を落とされるということで、一つの経済効果にもつながっておりますし、こういった環境の活動に取り組むことによってそこでできている農産物が安心安全な農作物であるという波及効果にもつながっていくのかなというふうにも思っております。

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