トップ

講演記録このサイトについて

人と自然を考える会
所在地
滋賀県東近江市八日市金屋2丁目6番25号
東近江市立八日市図書館内

TEL:0748-24-1515
FAX:0748-24-1323
 
Home >> 講演記録 >> 宮本憲一 嘉田由紀子 藤井絢子


地域資源を生かした「まちづくり」事例学習(その3)

「東近江を循環・共生の大地に」

 地域が自立して生きる仕組みづくり

(2006年12月23日(土) 愛東福祉センターじゅぴあ)
講師:
宮本憲一 嘉田由紀子 藤井絢子

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28 29 30

菜の花プロジェクトの課題と展望

 最後に、これからの課題や展望も含めてお話ししたいと思います。一つは菜の花栽培の拡大と所得保障をしようということがあります。今菜の花栽培をしていただいている農家に対しては産地づくり交付金といわれる転作の助成金であったり、市の一部監督補助で栽培を推進しているわけですけども、そういった制度というのはなかなか持続性があるものではございません。国の方では、バイオマス日本総合戦略という国の方針があるわけですけど、そこで資源作物という位置付けがなされてます。その資源作物としての助成制度を国に要望することによって地域の中でそういう資源作物が栽培される制度づくりをやっぱりしていかないといけない、していただかないといけないというふうに思っております。

 その一方では、地域の中で自助努力が当然必要だろうと思っています。そのためには地域の中でつくった油を地域の中で使っていくという、そういう消費拡大、それを行なっていくことによって地域の中でより資源が循環するという、そしてまあお金もまわっていくような形づくりというのがやっぱり大切だろうと思っております。

 それから、2番3番4番というのは家庭系の廃食油の回収拡大というのがあります。回収したものをBDFにしてそれの利用拡大を図っていくということがあるわけですけども、一番の問題は家庭から広く薄く資源を集めるということですから非常に大変なことなんですが、やはりそこがしっかりしていかないとこういったバイオマスの資源というのは有効に活用できないということがあります。そういう意味ではそういう回収システムをしっかりとつくっていく、それによって回収率を高め、回収されたものをより品質のよいものにしていくということがありますし、それを市内でみなさんが実感できるような利用拡大を図っていき、それによって回収の意識を上げていくという、そういうことをやはりしっかりとやっていきたいというのが課題であります。

 それから、5番目には、環境と経済の好循環というところで挙げておりますが、やはり理想や思いだけではそういった活動は長続きしません。やっぱり経済的に成り立っていくというのが一つの大きな事だろうと思っています。栽培であるとかあるいは収穫、乾燥、選別、搾油、それから回収してBDFの製造をするわけですが、その過程で経済的に成り立つようなさまざまな波及効果があると言いましたけれども、それを高めることによって経済的に成り立つ、地域が元気になる、そういう仕組みづくりをやっぱりしっかりとしていきたいというふうに思っております。

農とエネルギーの地産地消で地域の自主を

 どうしても最後は、農とエネルギーの地産地消ということでございます。今は、食糧もエネルギーもほとんど外国から輸入しているという状況です。食糧ですともう40%に満たない。エネルギーに関しては4%しかないという。全国で見ればそういう形になるわけですけども、全国各市町村ごとに見れば、食糧自給率が100%を超えている所も当然ありますし、エネルギーに関しても太陽光を使ったり、風力を使ったり、あるいはバイオマスのエネルギーを使ったりして、かなりの地域の中でエネルギーをつくっている。

 そういう農村にとって、農とエネルギーの地産地消という、そういうところを目指していくことが必要だろうと思ってます。食の自立であるとかエネルギーの自立であるとか、そういう活動を通して地域の自立をすすめていく、そういう地域モデルをつくっていきたいという、そういう思いを持っております。

 これはバイオマスの資源を実践的に使っていって、それを元にしながら啓発学習を行なっていくという菜の花館でございます。ここ東近江市についてはこの施設を拠点にしながら行政だけじゃなくてNPOであるとか市民のみなさんに関わっていただいてその場を広げていきたい、そしてしっかりした地域モデルをつくっていきたいなというふうに思っております。以上でございます。


司会:はい、どうもありがとうございます。

 菜の花を中心にしました循環型社会に興味ある方はどうぞ菜の花館の方にお越しいただきたいと思います。それから、資料の37ページにありますようにエネルギー全般について興味があっていろいろやってみたいなあという方は、ここに東エネルギー新エネルギー推進会議というのがありまして、太陽光の話から水力からいろいろ市民レベルで研究等をしておりまして、最近メンバーが減ってきておりますので、是非参加をよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、第2部をここで終わらせていただきまして、ここで10分間休憩をとらせていただいて、第3部に進めさせていただきたいと思います。この時間を利用しまして先ほどの先生方への質問はここでやっていただきますようによろしくお願いいたします。それでは、この時間に申し訳ありませんが、今日は本を2冊後ろで販売されております。宮本先生の本と藤井先生の本がありまして、今日は消費税がサービスになっているということでございますので、ぜひよろしくお願いいたします。

←前のページへ 次のページへ→

▲ページトップ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28 29 30