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人と自然を考える会
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滋賀県東近江市八日市金屋2丁目6番25号
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地元学でまちづくり

「ほんまに私(みんな)が主役のまちづくり」

 広島県安芸高田市”川根”の地域づくり

(2007年3月3日(土) 東近江市八日市図書館)
講師:辻駒健二 眞喜志敦

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私が川根振興協議会に入った頃

 私が川根振興協議会に入ったきっかけというのは、本当は自分の将来をどうするかという期間でありました。というのは、私が帰って来た時にはまだ40代でありました。田舎に帰って来る事情というのはいろいろあろうと思いますが、私の場合には、長男に生まれたばっかりにです。おふくろが病気で53という若さで亡くなりまして、その時に約束した言葉というのが、「おまえは長男だから帰らにゃあならん」というこれだけです。おやじもまだ若うありましたね。帰ってきて、今日のような天気のいい日ばっかりじゃありません。雨の降る日もあれば、雷の落ちる日もある。やれやれこんな所へ帰らにゃあよかったな、長男がなんで帰らにゃあいけんのかという思いで生活をしておりました。嫁さんも町に出たいという思いがあったり、本当におもしろくないという中で、板ばさみになる状況というのは本当に語り切れませんね。

 しかし、田舎へいっぺん出ると帰ってくることはならないという。それと帰ってきてから、地域のみなさん方にあそこの息子は親孝行だというシールを貼っていただいたわけなんですからね、出て行くと、辛抱できんかったんかなというね。さらにはやっぱり田舎のということでみなさん方に不安を与えるものしか残らなくなってしまう。それなら、自分が70になったらどうするかということをもっと深く今から考えにゃいけんなと。それには今私がどう動くかということは、地域をどう動かせるかというところへ話を持っていかにゃいけんなと。こういうことで振興会の中に入っていったわけなんですよね。

 なかなか外から見ることと中に入っての状況というのは大きく違いました。本当に身が引き締まるというんですかね、そのような思いで振興会の会長にあえてなったわけなんですけれど、みなさん方の思いというのは全然なかったですね。笛を吹けど、太鼓をたたけど、みなさん方が関心を持ってくれない。要は動いてくれないということです。私の前の会長さんというのは、それなりの肩書きを持って地域を動かしとったわけなんです。「よっしゃ、何月何日には出てこい」と言うたらね、愚痴は言わず、中には愚痴を言う者もおる。「やれやれ、また出てこい言うんかな」。そこに顔をのぞけることがあの人に認めてもらうわけじゃあないですが、後で文句を言われんというような、こういうような状況でありました。確かに村というものは、そのように合併する前は、本当に村長さん、そして校長さん、今度は田舎の駐在所言うんかな、そこの人。そしてお寺の住職なりもう一人ぐらいおればね、その地域はまとめておられた時代がありました。

 しかし、時代というものはそうでない合併という方向で動いていくわけなんですから、今は本当に村長さんもおらねば、学校の校長さんといえども、それはサラリーマンでしょう。それから、本当に弁当を持って、かばんを下げて子どもたちに教育を教えるということですが、地域で汗をかいている人じゃないということですから、なかなか地域をまとめる状況というのは難しい。しかし、私の所には振興会という組織がありまして、できた背景というのは、先ほどパワーポイントで見ていただきましたから多くは語りませんが、そうは言っても私がそこの中に入るわけですから、何かせにゃあならんと。先輩たちがやってきた歴史をもういっぺんここで断ち切っちゃあならんということですから、いろいろみなさん方に話をするが、それが聞き入れられなかった。いや、困ったことじゃなあと、本当にジレンマに陥りました。

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