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地元学でまちづくり 「ほんまに私(みんな)が主役のまちづくり」広島県安芸高田市”川根”の地域づくり (2007年3月3日(土) 東近江市八日市図書館)
川根でデイサービスが実現するまでその中に一人のおばあちゃんが、車に酔われる方がおられたんです。行きたいんじゃが、バスに酔う。したがって、酔い止め薬を飲んで行くわけなんですが、飯も食べん。帰る時もまた酔うからということでなかなか食事もとれんということで、その言葉が民生委員に聞こえたわけなんです。民生委員がすぐ役員会を持って、どうしましょうかと議論しました。それなら、川根でやろうや。というのは、「その施設のある所のみなさん方はいいなあ。私ら離れとるから」というのは、そこまで行くのに30分かかりますからね。「地域のみなさん方はええが、離れた所はなかなか参加できん」ということを言うた。「それなら、川根でやりゃあええじゃないんですか」。「どこでやるんですか」。「誰がするんですか」。「事故があったらどうするか」と。 それをまたはねのけて、今デイサービスをやっとりますが。だがその施設があったかというと、そうじゃありません。今ある既存の施設を改修しようということで、これも2700万ぐらいかかりました。これも行政に企画書をつくりながら、話をさせていただいた。我々がしっかりしたら、役場の職員もしっかりすると言いましたが、まさにそれですよ。自分たちが提案したことにいかに近づけて、それを実現可能な方に持って行くかというのが役場の職員の仕事じゃないかと思うんです。「できゃあしません、ダメです」という答えを出すまでに、しっかり議論をして、「よっしゃやろう」ということでね。 問題が起きたのは、建物の改修計画が立った後に何が起きたかというと、資格を持った者が私の地域にいなかったということです。「おいおい、これ今から資格を取りに行くのは大変なことで」ということで、これも役場の職員が知恵を出してくれたんですよ。「介護保険の中で出前のデイサービスがあるんですよ」と。「それはどういうことか」と言うと、「こうこうです」。 よっしゃということで、勉強を兼ねて特別養護老人ホームに行って園長と話をしたんです。「今こういう段階まで来とるんじゃ」と。「我々は今からバリアフリーの施設の改修をかける。そして、自分たちはボランティアをやる」と。「地域の応援団を頼むから、私の所へ資格を持った者が出てくることにはならんかい」と言うたら、「出ましょう」ということでね。今毎週金曜日にサテライトのデイサービスをやらしていただいております。 私もそこへまた1号じゃないが、ボランティアの先頭へ立って行かしてもろうたがな。わが親父の手を握ったことはありますが、隣のじいさんやばあちゃんの手を握って、このようなことをしたことはなかったですがな。じゃが、本当にしっかり握り返して、「いつもお世話になるのう。おかげさまでわしらはこういう生活させていただいとる」ということを語る。なるほどなあと。私の地域にはおかげさま、お互いさま、もったいないという言葉が生活の中でしっかり使われておった。これが今本当になくなりつつあります。 おかげさま、お互いさま、もったいないという、これは感謝の気持ちでしょう。こういうことを本当に生活の中で出さにゃいけんなあと。こういう話をさせていただいたわけなんです。したがって、われわれができることとできんところがあるわけなんです。そのことをしっかり自分たちが分析しながら、そして協働のまちづくりというような。何もかにも投げっぱなしは協働じゃないと思うんです。銭がないからダメ、銭がないからダメと言うて投げ返すんじゃなしに、ここまでは我々ができる、しかしこれから先のことはどうする、という議論というものを僕はせにゃあならんのじゃないかと思う。
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