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人と自然を考える会
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滋賀県東近江市八日市金屋2丁目6番25号
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地元学でまちづくり

「ほんまに私(みんな)が主役のまちづくり」

 広島県安芸高田市”川根”の地域づくり

(2007年3月3日(土) 東近江市八日市図書館)
講師:辻駒健二 眞喜志敦

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地域のリ−ダー選び

阿部:他はいかがですか?

会場2:失礼します。2点あるんですけど、まず一点。まちづくり、まあ合併も含めてですね、私なんかはやはり町名を何にするとか、うちの町は借金多いとか、資産が多いとかそういうことじゃなくて、私はやっぱり人が、人材がやはり10万規模ぐらいじゃないとできないと。その人材というのはどういう人材かというと、将来的には自活をしないといけないと、国からお金が来るとかですね、町の補助があるとかですね、そういったものはもう関係ないわけですね。要は自活なんですね。自分の家と同じなんですよ、町も国も。入りと出の関係。で、どうするのかと。入りを特にね。出というのはなかなか工夫はできないんですよ。そうすると、町なり市なり県独自の税制を企画せなあかんわけですね。その人材だと私は思っているわけです。その人材がいるのかいないのかと。実際にずっとその運営をできるのかと。そこにかかっていると。合併というのはそういう問題だというふうに私は思っています。

 それで質問ですがね、協議会でいろんなことを進める中で、やはり人が一番大事だと思っています。任期も含めて、改選なんかも含めてね、あの人はもうずっと再選してもらおうとか、もう輪番でやってもらっているんですよとかね。なにか工夫といいますかね、そういう役の分担をどういうようにしておられるのかということを辻駒さんにちょっとまず一点おうかがいしたい。

 もう一点はですね、先ほどノミニケーションの場でやりくりに非常に、警察が世の中からなくならないんで、私も大変お酒好き人間でして、一つこんな提案はどうかなということで。婦人会と相談しましてね、毎夜毎夜10名ぐらい野郎が集まるんであれば、20人ぐらい女性をね、もちろんその方に車で来てもらわなあかんから30台分ぐらいの駐車場がいるんですけども、倍ぐらいの女性に来ていただいてね、1000円か2000円出すと。謝礼だけでね。その人に送り迎えしてもらうと。二人でやってもらって。そういうものをちょっと工夫されたらどうかなと。私は一つ思っているんですけど、なかなか発揮できる場がないんでね、そうすると野郎どももたくさん来るんじゃないかと思ってます。以上しょうもないことで。

辻駒:私も振興会の会長になって14年か5年になるんですがね、しかし、まだまだ課題はあるね。あんたは何をしよったかとお叱りを受けるわけなんですが、なりとうてなったり、肩書きが欲しくてこういうことをしよるわけじゃない。それには地域のリーダーというのはどういう状況になっとるかというんですが、今までそのようなことを関心持たんことには、頼り切っとったような状況があろうと思うんです。私は一人の人間の姿を見る中でね、なるほどと。というのは、いろんな人の後ろ姿を見て育たにゃならんのうと。昔から言うように、子どもいうのは親の後ろ姿を見て育つという。家庭の中でろくな教育をせにゃあ子どもというのはそんなに育っていくじゃあないです。

 一日一円募金やらんかと言うてどういう議論になったかというと、「辻駒さん、確かにいいことを言う。だが働かん者はどうするんですか」。要は子どもたちにはどのように一円募金をさせるんですかと。「川根に生まれて住んどる者はすべてそういうような行動を示そうや」と言うたんですけど。その時にどう答えたかというと、これはどういうことに使われるんだということで親がそういうような事に対して家庭の中でどう教育するか。しょうもないことをするからうちはこうなんだと言うてね。我々がしとることに対して否定的にものを見るんじゃなしに、やはりなるほどのうというようなことをすれば、おそらく子どもも自分の貯金箱なりこづかいの一部なりをそこへ入れるということもできようと思うんです。ですから、お金を入れさせることが目的じゃなしに、そういう行動に対して地域で関心を持っていただいて、支えていくような状況にせにゃいけんと思います。

 だから、振興会の役員やなんかでも輪番制でやると、そりゃもう任期が来たら「やれやれ」ということになるんです。それでやっとる期間に、わしがなった時に協力してくれた人はそりゃ感謝するが、協力せんかった人に対しては非常に感情を持っていくわけなんです。「あれがなった時には絶対やるじゃあないで」ということで、地域のみなさん方が役になった時にプラスマイナスという判断をしますからね。私は自分が辞める時にはしっかりバトンを渡せるような活動というものをせにゃあならん。そして、役になっとる者にも非常に厳しいことを言うのは、「やれやれとか大変だとかね、愚痴を言うてから何になるか」と言うんですよね。「何が課題なんかということをみんなで議論しようや」と。そして、「そのことについてどうするかということの話をせい」ということを常に言うとりますね。

 ですから、今までのすがっとる、要するに行政頼りの中ではそういう議論はありません。僕らの生活の中で問題、不合理、矛盾が起きたらそりゃあ行政の責任よと。行政にやらせりゃあええじゃないかということで、なかなか行政の職員が地域に出てこられん状況というのは、結局我々の生活そのものをね、あるいは意識というものを変えてないという状況じゃないかと思いますけどね。

阿部:今のでね。辻駒さんが会長になられてから、役員さんというのはどんな感じで、今中身は変わって? 変わってない?

辻駒:もう全然変わってないですね。

阿部:変わってない。メンバーは固定?

辻駒:もう本当にそりゃあ辞めようと言う者がおらんです。わしが辞めようと言わんから余計みんなも辞めようと言わんのかしらんがな。

阿部:逆に入りたいという人はどうですか?

辻駒:それで僕は何をするかというと、一つのものをする時に必ず実行委員会と言うんかな、そういう形で地域のみなさん方をそりゃもう全部巻き込んでものはしとりますので、役員の請負になっとらんということがうちの組織の実態なんです。

阿部:役員だけがまさに使命感を持ってしまって、自分たちだけでやらなあかんから活動が広がっていかないということが結構あって、そうならないように工夫をしてあるわけですか。

辻駒:ならんですね。ですから、もうみなさん方が集まっていただいて、これはこの人、これはこのことということで、ほとんど地域のリーダーがそこの中に入って来るということですね。

阿部:安芸高田の他の振興会がありますよね。全部で32ですね。他はどうですか? かなり温度差がありますか。

辻駒:他の振興会が今組織が出来て3年目のところなんですが、もう悪い所は一年後、任期の2年の所は2年で交代、こういう状況ですね。「やれやれ」という。こういうような実態ですね。だから、本当に市長が今どういうことを言いよるかというと、「まあぼちぼちやっちょんさい」と。「肩肘を張らんようにやっていただかんと、これは死ぬまでやらにゃあいけんことですよ」ということを言うとりますからね。ですから、その言葉を聞いて、役員のみなさん方が、いやあこれをせにゃあいけん、あれをせにゃあいけんと背負い切る、あるいは物事を抱え込むんじゃなしに、一つのものができればまたそれをつないでいくというこういう内容づくりをせにゃあいけんなということを今言われとります。

阿部:二つめの方は一応ご提案ということでお聞きして?

辻駒:なかなかこれはね、言われてもそういうことにはならんですわ。今日もお酒好きな人がね、嫁さんを連れてって、ほなその場で呑んで帰るかというわけにはならないわけです。「呑みたいならうちで呑みやあええじゃない」と言われるのが関の山でね、なかなか男にゃあ男の愚痴を言う場がなければならず、ワイワイ言うてまた次にエネルギーを蓄えにゃあいけんもんがある。だが、うちの場合にはどっちかと言うと、町そのもの、地域そのものがかかあ天下ですな。振興会の役員会そのものがね。だからお母さんたちを粗末にするとものはできんという状況です。

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