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人と自然を考える会
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滋賀県東近江市八日市金屋2丁目6番25号
東近江市立八日市図書館内

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FAX:0748-24-1323
 
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地元学でまちづくり

「ほんまに私(みんな)が主役のまちづくり」

 広島県安芸高田市”川根”の地域づくり

(2007年3月3日(土) 東近江市八日市図書館)
講師:辻駒健二 眞喜志敦

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自分たちが感動できるイベントづくり

 一つのきっかけをつくったのは、ちょっとした行事の中でみなさん方に認めていただいたということです。というのは、一つのイベントをしかける中で、来ていただくのには何かせにゃあならん。議論を重ねる中で、それならこういうことをしよう、ああいうことをしようと。そういうことで、前日にいろんなことをやっていくわけなんですよ。その議論というものがやっぱり私の発言が元になったようであります。したがって、みなさん方は朝出てきて言われるままに動いていくわけなんですよ。それが終われば当然終わりましたということで報告にくるわけです。そして行ってみるとね、これは何かと。これでみなさん方は感動しますかと。おいでいただいた方に感動ということはあるかもわからんが、それを目的にせにゃあいけんかどうかも分からんが、まず仕掛けた側のみなさん方の感動はどこにあるんかと言ったんですよね。

 みなさん方はそれに対して何も返答しません。もういっぺんやりかえてくれと言ったら、その言葉に対してみなさん方が怒りを持つわけなんです。「なんでなら。わしら銭もろうてやりよるんじゃないんで」と。「朝からこの仕事をせいということでそりゃあもうみんなで汗をかいてやったのに、また始めからやりかえというのは何事だ」と。「そんなに気に入らんのだったら、なんで『ああせいこうせい』と指導せんかったか」と。こういうことです。仕事を終わったと言うて、手には缶ビールを握って、文句を言うわけなんですから。

 「分かった、それならわしがやろう」ということでね、みなさん方に「帰ってもいいですよ」と。そういうことで自分が一人残り、そりゃもう始めからやる。みなさん方が朝からやったものを自分一人でやりきることは到底できんですよ。言うた立場はそりゃもう自分も責任あるわけなんですけど、やろうと言う。そうすると、帰った者の中にもつられて帰った者がおるわけなんです。「なるほどのう」と言うような者もおる。一人来る二人来る中でね。そして、無口ではあるが、みんな一生懸命それに携わっていく。そうするといつのまにか帰った者がまた集まって来とるわけなんですね。

 「なるほど」と言うたのは、みなさん方が手を置いた時ですよ。「これでなけにゃあいけんのか」。というのは、自分たちがやらされる立場で参加すれば、そこのところまで気がつかんわけなんです。みなさん方の心がない。一生懸命同じものをまた再生するにおいても、一人一人の参加というものが全体の力になってくるわけなんですからね。それがなかったら。

 「やったなあ」ということでね、また帰って一杯飲んだ者もね、缶ビールを開けて乾杯という形で、「明日は何時に出て来ようで」という形で行事を終えました。

 その時に私は本当に、評論家になってはダメじゃなあと。地域ではこうだということが自らが行動を示していかねばならんと。要は額に汗をかいて手に豆をつくっていかんとみなさん方は動いてくれんのかということを、そこで教えてもらったわけなんですよね。確かに本当にリーダーということになれば、言葉一つで動くというようなこともあるかも分からん。なかなか私みたいな者が地域のリーダーになりきるには、みなさん方に認めてもらわにゃあならんということもありました。したがって、その時にはそういうような状況で認めていただいたわけなんですが、なかなかイベントだけで物事というものは動きはしません。本当に地域の町づくりといえば人づくりと言われますように、地域のみなさんが今持っているいろんな課題をみなさん方が議論をしていただかんといけんということも学ばせてもらいました。

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