トップ

講演記録このサイトについて

人と自然を考える会
所在地
滋賀県東近江市八日市金屋2丁目6番25号
東近江市立八日市図書館内

TEL:0748-24-1515
FAX:0748-24-1323
 
Home >> 講演記録 >> 辻駒健二 眞喜志敦


地元学でまちづくり

「ほんまに私(みんな)が主役のまちづくり」

 広島県安芸高田市”川根”の地域づくり

(2007年3月3日(土) 東近江市八日市図書館)
講師:辻駒健二 眞喜志敦

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 32 33 34

行政職員の関わり 「行政参画」のまちづくりを

阿部:前にお聞きした時にね、前の役場の職員さん、今の市の職員さんが、その地域在住の方が事務局の役割を果たしているということをおっしゃっていたと思うんですけど、そういう意味で行政職員の関わり、職員さんも結構いるので、その辺について何かアドバイスがあれば。

辻駒:そうですね。川根振興会の活動が、要求から提案型の地域づくりをするのには、どうしても役場の職員さんの協力言うんかね。そうは言うても、集落の住民の中で一番情報をしっかり持っとるのは、そりゃもう役場の職員であり、それをどう使うていくかということが、自分らの課題だったわけなんよね。したがって、出て行けば怒られる。そして、「お前らがやれ」という所に、あえて職員が出て行くような状況はなかったわけなんです。

 私はそれを逆に住民参加のまちづくりじゃなしに、行政参画のまちづくりという形で。そうは言っても安芸高田の、消防署の職員を入れて530人おるんですわ。530人の能力集団ね、安芸高田にそれだけの企業があるか言えば、ありゃへんのですわな。まさにその能力集団がどう動くかということをやっぱり考えてもらわにゃあならず。要は迫る側の人間、こういうまちづくりをしようと言うて、要は市長が一生懸命タクトを振りよるわけなんですから。そのタクトをしっかり職員は見にゃならず、そして住民も関心持たにゃならんと思うんよね。

 どこを切っても金太郎飴には僕はならんと思うんです。その地域の歴史・文化をどう育てるか、あるいはどう守っていくかということを考えていったらよかろうと思うんですね。

 したがって、役場の職員というのは、そういう意味では黒子役に徹していくというところがないと、役員さんは大変ですね。だが、役員さんが困った時に、「こういうことでわしは悩んどるんだが」と言うたら、なるほどということでね、そのことを共有していく人間関係ができとったら、そんなに悩みなく、ものごとはできていくわけなんですよね。

 一番困るのは、さっきの事務局のことがあったですが、過去においては、自分の仕事を終えてサイレンが鳴ってから、今度は振興会の仕事をしてくれよったんですわ。1時間2時間ではできんから、どうしても11時12時までね。そうしたら、公務で出とった町長が帰ってきて、「えらい遅うまで仕事しとるな」と声をかけたら、その職員が自分の机の上の振興会の資料を手で隠した言うて。手で隠しながら、「町長さん、実は役場の仕事じゃないんじゃ」と。「こんな遅くまで役場の電気を使わせてもろうて、役場の機械を使わせてもろうて振興会の仕事をしよるですよ」と。「あんた振興会の事務局をしよるんか」言やあ、「そうなんですよ」と。「そりゃあご苦労じゃのう」と言うてね。

 そういうような職員が役場の中に何人もおったんですね。それで、後から八つの振興会の内の4、5人がそういうような形で、後は農協の職員がやっとった。そういうような状況もあったわけなんです。そうしたら、町長が「仕事を終えて遅くまでせんで、業務の中で振興会の事務局をしちゃるようにせんと、こりゃ大変で」ということで、仕事の中でしてもいいということを通していただいて、これは非常に助かったですね。人を寄せるにも事務局がやらにゃいけん。なんやかんやするんでも、事務局という一番要のところが動く体制づくりを役場の職員が担ってくれたということは、非常に我々にとっちゃあプラスですね。よかったですわ。

 うちの場合には、「あんたなれ」と言うて、特定の人をならせるんじゃなしに、要はその地域に住んどる人間が手を挙げて、「自分がやりましょう」と言うて出てくれたことが非常によかったというふうに思うわけなんですね。

←前のページへ 次のページへ→

▲ページトップ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 32 33 34