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地元学でまちづくり 「ほんまに私(みんな)が主役のまちづくり」広島県安芸高田市”川根”の地域づくり (2007年3月3日(土) 東近江市八日市図書館)
地域で福祉を考えるための1日1円募金福祉で言うと、さっきも1日1円の募金の話が出ました。お金を集めるんが目的じゃない。福祉ということに対して自分たちが勉強せにゃあならんということで、あの1日1円募金を始めたんですよね。住民のみなさん方、「1円だと言わないで、10円だ100円」というような本当にありがたい言葉も役員会で出たわけなんですよ。だから、私が始めたきっかけというのは、自分自身の福祉ということが私自身も分からんかったわけなんですよね。受けることについては、他の町の状況なりを、「あ、この町はここが優れとる。まだまだうちの福祉というのはこういうこともせにゃあならん」という、行政にも提案していかにゃあいけんが、自分たちで福祉ということに対して関心を持ってもらうということは、一人一人がわしゃあまだここで生活できる。だが、5年先、10年先にはここまで福祉を高めていかんと自分たちの生活というのが非常に厳しくなるんじゃないかという。こういうような議論の場を地域づくりの中で考えていこうやと、こういうことで話をさせてもろうたわけなんです。 幸いにして、住民のみなさん方に本当に協力いただいて、そのおかげで今、毎週木曜日に給食サービスをさせていただいとるんですね。これもう配達するのは全部ボランティアですわ。だが、ボランティアという言葉は今うちにはあてはまりません。あたりまえの行事に、あたりまえのことになったということですね。なにかというと、会社へ勤めている者が休んで、その日弁当を配るわけなんです。 これも初めからそういうことにはならんかったんですよ。「なんでわしらが休んで、弁当配りをせにゃあいけんのか」ということがありました。言葉というのはみなさんこわいもんですよ。また、言葉というのはまたありがたいものでもあるわけなんですよ。受ける方が、あれは学校、会社を休んで弁当配りをしとるということになれば、「わしが弁当いらんということで拒否すれば、あの人は休まんでもええんではないか」ということになるわけなんです。迷惑かけとるということが耳に入ってくるわけなんですから、迷惑かけんようにするということになれば、自分が辞退すればええという。 そのこともまた議論するわけなんです。「いやならやめえ」と。「やがて老いていく自分が安心して生活できる地域というのは今からやらんとダメよ」というんです。30の者は「まだまだ先よ」と言うが、いつ人間というのは、今日があって明日はない、人や先、人や先じゃあありませんで。我や先、人や先と言われるようにやらにゃあいけんということ。 そういうことも話をさせていただいて、幸いにして今デイサービスまで私の地域でさせていただいとるんですよ。これは本当に地域のみなさん方の声というものがそのようなデイサービスを発足させるきっかけになった。それまでは、高美園という特別養護老人ホームからバスで迎えに来てくれるわけなんです。迎えに来てくれて、デイサービスが終わったら送ってくれるわけなんですよ。
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